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職人紹介

Masanori Nakamura

 
中川村の友人宅で、初めて薪ストーブを体感する。鉄の箱の中で薪を燃やし、煙突から煙が出ていくというシンプルな動作で人々を暖める。なんて魅力があるものなんだろう。将来、古民家暮らしをし、そこで自立した仕事ができないか考えていた僕にとって、薪ストーブとの出会いは運命的だった。
溶接など、鉄工未経験だったが、薪ストーブを作りたいと思う日々が続いた。 
 
2008年に飯田市の実家を出て松本市へ。
松本のハローワークで偶然にも、薪ストーブ職人の求人募集を見つけてしまう!
迷うことなく、その道に飛び込んだ。
 

薪ストーブ職人の第一歩は、長野県内にある手作り薪ストーブ屋に勤めるところから始まった。名だたる建築家が、オリジナルデザインの薪ストーブを依頼してくるような薪ストーブ職人が、僕の師匠だった。
師匠の薪ストーブはどれもデザインが個性的で、美の探究に抜かりがなかった。僕が作っている薪ストーブの、細部にかけるこだわりは、ここで身についた。鉄工の技術も充分学ばせていただいた。
 
そうして薪ストーブ屋を退職し、開業資金を貯めるため再びサラリーマンに戻った。その頃、知り合った鉄工所の方に「鳥倉シェーカー」の材料の手配をお願いした。だが鳥倉シェーカーが完成したのはそれから5年後のことだった。
 
2018年、大町市八坂というところに鳥倉ストーブ工房が晴れて設立された。軽トラがギリギリ通れるくらいの道にある、古い倉庫を借りることができた。地面は土で、道具や部品がすぐに無くなる。大雨が降ると、裏山から滝のように水が流れてきて水没する。過酷な環境で昼夜問わず作業に追われたことで、強靭なメンタルを身につけた。
 
初めの頃は資金が足りなかったため、ゴルフ場でアルバイトをしながらストーブを作っていた。午前4時起きでゴルフ場へ出かける。1日13kmを歩いて、半日グリーン刈りをした。僕はここで強靭な脚力を身につけた。
 
はじめに鳥倉シェーカーが完成した。「シェーカー」というのは昔々、アメリカ大陸に渡ってきたシェーカー族が使っていた、伝統的で実用的な薪ストーブだ。
その後、「はなび」が完成。ちなみにはなびは我が家の愛猫の名前。工房設立と同時期にやってきた。ストーブのネーミングはこんな風に、愛着のある名前ばかり。
「鳥倉シェーカー」、「はなび」の上にオーブンが乗っかったものが「ヤマドリ」、「南木曽」。この4つが鳥倉ストーブの代表的なストーブです。
 
2020年末、ついにゴルフ場へ行かなくても生計が成り立つほどになってきたため、薪ストーブ1本で生きていくことになる。
 
そして2021年、結婚。筑北村に工房とともに引っ越した。
デザイナーの妻がこのホームページを立ち上げてくれた。(つづく…かもしれない)

鳥倉ストーブの特徴


薪ストーブ Hanabi はなび

厚さ=暖かさ

 
12mm・9mmの極厚の鋼板を使用しており、非常に頑丈です。急激に温度の上がる針葉樹も焚くことができます。 鉄板だけでできているので、焚き始めは暖まるのが早く、凍える朝も安心。分厚い鉄板は蓄熱性があるため、柔らかい暖かさが持続します。ストーブ全体が大変高温になるので、天板では炊飯から炒め物まででき、オーブン室ではパンやお菓子など、どんな料理もこなします。

薪ストーブ Hanabi はなび

オブジェとしてのこだわり「台形」

 
古民家から洋風建築、ログハウスなど、どんな家にも合う形が台形だと思っています。オーブン付きの大きなストーブもシャープにすっきりと見えるため、圧迫感を感じません。直線で美しい角を作り出すために溶接痕を手作業で削り落としています。ミリ単位の狂いにも妥協せず、職人魂で製作しています。造形物としてもこだわりのある薪ストーブです。

鳥倉ストーブの燃焼方式


薪ストーブ Hanabi はなび

クリーンバーン方式

 
鳥倉ストーブの燃焼方式は、クリーンバーン方式を採用しています。一次燃焼で燃え残った可燃性ガス(煤やタールなどを含む煙)に高温の二次空気を送り込むことによって、可燃性ガスをさらに燃やし、クリーンな状態で煙突から排出するシステムです。二次燃焼をすることにより、高温の熱気をストーブ内で発生させ、分厚い鉄板から強力な輻射熱を得られます。

薪ストーブ Hanabi はなび

ガラスのエアウォッシュ

 
大画面のガラスで炎を楽しめる薪ストーブ「はなび」、「南木曽(なぎそ)」。ガラスの曇りを極力少なく、クリアなガラスを保つために、空気のカーテンで煤の付着を防ぐエアウォッシュシステムを搭載しています。 ※ただし未乾燥の薪や松などのヤニが多く含まれる薪を焚き続けると、煤が付着しやすくなります。

薪ストーブ料理

熱を利用して様々な料理ができるのも、薪ストーブの楽しみです。天板では炊飯や煮物、炒め物まででき、炉内ではピザを焼いたり。オーブンは温度管理次第で何でも焼けます。インスタグラムでは我が家での薪ストーブ料理なども紹介しています。

オーダーメイド

注文をいただいてから、1台1台手作業で作っています。住宅の間取りに合わせて薪投入口の向きを変えられるのはもちろん、ガラスの形を好きな形に変えたり、脚の長さを変えたりなど、カスタマイズが可能です。

ひたすら研磨

6枚の鉄板を組み立て、箱にしています。外周の溶接面をグラインダーでフラットになるまで削り落とし、溶接の継ぎ目がなくなるように仕上げています。作業には相当な時間がかかりますが、譲れないこだわりです。

使いやすさ・メンテナンスフリー

空気調整は灰受けを兼ねた1次空気口を開け閉めするだけで、視覚的にも分かりやすく、薪ストーブ初心者の方でも扱いが簡単です。また消耗品をほとんど使用していないので、ストーブ本体のメンテナンスが不要です。

炉台・遮熱板

ストーブまわりに設置する炉台や遮熱板の製作も可能です。お好きな形・大きさでお作りします。

煙突

煙突施工は当方で行う場合と、仲間の業者と協力して行う場合とあります。まずはお問い合わせください。